寒い話

スコーピオンのミロが宝瓶宮を訪ねてみると、アクエリアスのカミュは
何やら手紙を読んでいる真っ最中だった。
「水晶聖闘士からの手紙か?」
「うむ。弟子の氷河とアイザックの成長ぶりを綴っての定期便だ。」
「それならばもっと嬉しそうな顔をすればいいものを。君の弟子にしては
明朗な男だが、普段どういう話をしていたのか、まるで見当がつかないな。
どうだ?カミュよ。君には冗談のひとつも言えまい?」
カミュは、静かに友のほうを振り返った。
「ミロよ、そういう君に冗談が言えるのか?」
 その言葉にミロは「ふっ」と鼻先で笑って、挑発するような目をカミュに
向け、こう言った。
「『隣の空き地に囲いが出来たってね』『へー』」
 
…沈黙。

ただでさえ冷気を感じるこの宝瓶宮の中は、すでに氷点下の冷たさだ。
「つまらん事を言ったようだな。」内心の動揺を隠しつつ、ミロはあくまで
クールに宝瓶宮を去った。

 カミュは、ただ一人残された宝瓶宮にたたずみ、静かに心の中で復唱していた。
 
――『隣の空き地に囲いが出来たってね』『へー』――
そして彼は、小さく笑った。

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